1.ドーズレスポンス
第1に 、栄養素は量を多めに取ると特別な効果が得られることがあります。ドーズレスポンスと呼ばれており、 用途・ 反応の関係を意味しています 。例えば ビタミン C の日本での標準摂取量は 1日100mg ですが 、風邪の予防には 1000mg を1日のうちに何度も 摂取した方が良いことが報告されています。 またくる病を予防するために必要なビタミンDは、27G/pmlですが、大腸がんや乳癌を予防するには 47 G/pmlになるまで ビタミン D の摂取量を増やす必要があるということも分かっています。
同じように量を多めに使うことで、 亜鉛でうつ病、 ナイアシン で統合失調症の症状を軽減させることができます。 このような反応を得るためには、 通常の食事に含まれる栄養素の量をはるかに超える量が必要です。 これが 栄養療法でサプリメントを使う理由の一つです。サプリメントは 摂取量の効率を高めるツールなのです。
2.個体差
足りない栄養には個人差があります。 他人に効いたサプリメントが自分に効くとは限りません。 それを摂る前に他人に足りない その栄養が自分にも足りないのか調べるべきです。
ではなぜ人によって足りない栄養が異なるのでしょうか。 例えば1つには遺伝的な要因です。葉酸が体の中で働くために必要な酵素というのは、その酵素を作る 遺伝子の多型がない 子供に比べて、片方の親から遺伝子多型を受け継いだ子供は30%、 両親から受け継いだ子供は70%活性が低下します。
この酵素の活性化の低い子供は解毒がうまくできないことが多く、 これが自閉症の大きな原因となっています。 このような子供は時にサプリメントで活性化された葉酸を補う必要があります。
さらに、ある人にとっての栄養は、ある人にとっては毒になることも知っておいてください。 現在のうつ病治療では 、神経伝達物質のセロトニンが低下してるという前提のもとに SSRI という薬が使用されます。これは作用が比較的マイルドなので、第1選択で使用されることが多い薬剤 ですが、自殺に関するリスクが増加するという場合もあります。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか。うつ病に関する栄養療法の世界的権威のウィリアム・ウォルシュ博士によれば、 セロトニンが低いタイプの うつ病は全体の38%に過ぎません。 うつ病患者の全てが セロトニンレベルの低下を起こしているのではないのです。 セロトニンレベルが高い患者さんもいて、セロトニン レベルを増やすと 逆に不安な気持ちが強くなったりします 。このような体内の酵素活性や消化 能力、摂っている食事やストレスの状況などの環境因子によって摂るべき、 そして摂るべきでない栄養というのは大きく異なります。
栄養療法で最も大切なのは、 この個体差を把握することだと言えるでしょう。
3.根本原因
栄養療法の第3原則は 根本原因にアプローチするということです。 この 第3原則が一番重要と言ってもいいかもしれません 。
単に検査で足りないと出たサプリメントを摂るだけで完治する方はほとんどいません。 検査を行って足りない栄養を摂ることは重要です。確かに栄養状態には個人差があるため、検査を行って足りない栄養を補充することは重要です。 しかし、人間は 従属栄養生物 でありながら、生まれながらに食事、環境の変化、ストレス、感染症などで大きく栄養バランスを崩しやすい仕組みを持っています 。つまり、検査の結果で見られる栄養不足の結果は、栄養の摂取不足だけが原因ではありません 。 栄養素を不足させてしまうような根本原因が必ず存在します。 確かに足りない栄養を補充することは大切ですが、何も考えずに足していくと サプリメントは 際限なく増えていきます。 その結果 、血液検査の結果が少しばかり 良くなっても体調は根本的には変わりません。 通常、健康状態が戻るにつれ 必要なサプリメントは減っていくはずです。 サプリメントを減らすために 根本原因を見つけてそこにアプローチしてください。